和装の袖【誰もが認めるそのシルエット】
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和装プロデューサー、山本丈之。
幼少期より家業の悉皆業を通じ、日本古美術文化に触れ、その美的感覚を磨く。
2004年より本格的にプロデューサーとしてのキャリアを構築し始め、2010年に『株式会社一声』を設立、和装デザイナーズブランド『想創蒼』のプロデュースを開始する。
国内外に『和装の魅力』『和装の技術』を発信すべく、積極的なアプローチで意欲的に展開中。
和装の袖が大きな注目を浴びているのをご存知ですか?
今、和装の袖がついている『洋服』が密かなブームになっています。
(和装の)袖つきのワイシャツがあったり、パーカーまであります。
和装の進化と影響力を感じることができて、非常に嬉しく思っています。
やはり和装はファッションとして、色んな人の感性を刺激するのです。
和装のシルエットは『かっこいい』ということなのです。
この喜びを胸に、今回は『和装の袖』について話をしていきます。
- 袖の『ウンチク』
- 袖の『標準サイズ』について
- 和装の可能性について
知ってると『和装が楽しめる』物ばかり用意しました。
和装の袖【ウンチクを少々】
和装は日本の歴史と伝統がその背景にあるものです。
そんな和装にまつわる『言葉』というのは多くあるのです。
そんなウンチクを紹介します。
『袖』がつくことわざ
特に袖のつく言葉はたくさんあります。
今回はそれらをまとめてみました。
何かの時に使ってみると、非常に知的でおしゃれだと思います。
頂く物は夏も小袖 | 欲が深いこと。夏には小袖は着ないが頂けるならもらう、ということから |
三十振袖、四十島田 | 女性が年齢に不相応な若作りをすること。(島田とは髪型のことです) |
袖から火事 | 小さなことが大きなことに発展すること(明暦の大火が袖から火が広がったと言われることから) |
袖から手を出すのも嫌い | ケチなこと。金を出すのはもとより、袖から手を出すのも嫌がる、ということから |
袖すりあうも他生の縁 | 知らない人と袖が触れあうような些細な縁も、大切にするべきということ |
袖にする | それまで親しくしていた人に冷たくすること |
袖の下 | 賄賂(ワイロ)のこと。人目につかないよう様から |
袖の下に回る子は打たれぬ | 叱られて逃げる子は打ち(叩く)たくなるが、すがりついてくる子は可愛くて打てない、ということから |
袖を絞る | 号泣すること。涙で袖が絞れるほど濡れる、ということから |
袖を連ねる | 大勢の人が連れ立っていく様 |
袖を通す | 衣服を着ること |
袖を引く | 他の人に気づかれないように、誘ったり注意したりすること |
袖を分かつ | それまで行動をしていた人との別れ(袂を分かつと同義) |
長袖よく舞い、多銭よく買う | 素質と条件に恵まれた方が有利ということ 袖が長い方が舞が綺麗で、多くの金銭を持ってる方が商売に有利、ということから |
無い袖は振れない | いくら出したくても無いものはない、ということから |
夏の小袖 | 時期外れで不要な物のこと(小袖は夏には着ない) |
破れても小袖 | 上質なものや価値のあるものは、状態が悪くても値打ちを失わない、ということから |
領袖 | 集団の頭に立つ人のこと |
結構たくさんあります。
聞き慣れたものもありますが、初めて聞くものもあると思います。
袖の『標準サイズ』
袖が下に伸びている衣類は『和装』以外にはあまりありません。
その袖の長さには色んな『伝統』があるのです。
袖で『年代』を表す
一般的に袖は『年代』を表すとされています。
振袖の袖は長いです。
その袖を短くする(留める)のが『留袖』となり、そのタイミングは結婚をする時です。
結婚をしてからも、年代に応じて徐々に袖を短くしていくのが『一般的』なのです。
補足
もう一つの要素は『身長』です。
背の高い人は袖を長めにすることがあります。
伝統より『機能性』を
(振袖は別として)年代に応じて袖の長さが変わるのは正直、煩わしいと思うのが私の考え方です。
着物の場合は襦袢も袖の長さを合わせないといけません。
なので、年代に応じて袖の長さを変えていると『着物』と『襦袢』の互換性が失われます。
それって、機能的でないと思いませんか?
大体の和装の販売店で売られている既製の着物(や襦袢)の袖の長さは概ね決まっています。
約49センチです。
補足
『約』というのは、和装は『尺貫法』と呼ばれる測り方があり、その場合の標準の袖の長さは一尺三寸で、それをセンチに直すと約49センチとなります。
よっぽどのこだわりがなければ、袖の長さは標準で作った方が互換性に富んでいるのです。
もっと自由に和装を楽しむために
とまあ、若干『堅めの話』をしてまいりました。
もう一度主張したいことは、冒頭にもあった『和装』の広がりの話なのです。
和装には大きな可能性があるのだと思います。
どんな人も和装に対する憧れがあるのです。
そして『和装のシルエット』はデザイン性に富んでいるのです。
もっと自由に和装を
和装は『自分らしく』『自由』に楽しむべき物なのです。
ルールだけをいう人には、冒頭のような話は受け入れられないでしょう。
というより『和装』とは違う物とされそうです。
歴史と伝統は大事なのです。
ですが、もっと自由な発想がないと、和装は廃れていく一方なのです。
もっと自由に和装を楽しんでみてください。
その応援と提案をしていくのが、私の使命なのです。
和装プロデューサー
デザイナーズブランド『想創蒼』代表 山本丈之
イベント情報
2020年12月は京都と岡山でオリジナルブランド『想創蒼』の展示会を開催!12月11日~15日は京都府福知山市にお世話になります! このイベントは終了しました。
詳しい情報を知りたい方はコメント下さい!
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