男性の和装【その歴史と可能性にせまる】
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和装プロデューサー、山本丈之。
古都京都に生まれ、幼少期より日本古美術文化に触れ、その美的感性を磨く。
家業の悉皆業を通じ、伝統と革新の融合した和装ブランドの確立に興味を抱く。
2004年、本格的にプロデューサーとしてのキャリアを構築し始める。
2010年、「作品を通しすべての人々の人生の一部になれる様に貢献していきたい」という想いを込め、古典柄から現代の斬新なテイストを幅広く取りそろえる和装デザイナーズブランド「想創蒼」のプロデュースを開始。
昨今、男性で和装を楽しむ人が増えてきています。
それこそ急増です。
和装の業界での男性着物のシェアは小さいものでした。
それは販売されている商品にも現れています。
和装の販売店、問屋、メーカーなどが販売する和装の大半は女性の和装です。
男性の和装はわずかで、10%もないと言えるでしょう。
これは和装の特徴でもあります。
今回は、その男性の和装について掘り下げて考えていくことにします。
- 男性の和装のシェアが少ないわけ
- 和装業界の中での男性の和装
- 男性の和装の可能性
男性の和装【その近現代史】
かつて誰もが和装をしていたころ、和装のシェアにおいて男女の差はありませんでした。
むしろ、女性に比べて男性の方が『公』の場面に出ることが多く、男性の和装の方がシェアが高かったのかもしれません。
到来する近代化と洋装
時代が明治を迎えて、多くの西洋の文化が日本に入ってきます。
それは知識や社会の仕組みのみならず、日本の風俗や庶民の生活にまで影響していき、当然『装い』にも大きな影響を及ぼしていくのです。
西洋の文化の影響を一番に受け、変化していくのが『官公庁』です。
これまでの国家のあり方、統治の仕方などを西洋風にしていく、これが日本の近代化です。
『仕組み』を洋にすると言うことは、装いも洋にしていきます。
西欧列強と相対していくために、洋装が正装となっていくのです。
さらに、当時そんな『公』のポジションにいた人はそのほぼ全てが『男性』でした。
ということで男性の洋装化がどんどん進んでいくのです。
その後、女性にも洋装への変化の流れが訪れますが、そこまでの定着はせずに男性の洋装、女性の和装という流れは進んでいくのです。
男性の和装の現代社会
昭和に入って戦争が始まると、男性は『国民服』という洋服が正装となります。
対して女性は、豪華な和装を着ることは良しとはされなくなり、和装とモンペなどを掛け合わせた装いが主流となります。
戦争が終わり、女性は着なくておいていた和装を着るようになります。
男性は国民服の流れから、洋装が定着していくのです。
その後は女性の社会進出も相まって、女性の洋装化も進んでいくのですが、和装業界の中で和装を提案するメインのターゲットは女性となるのです。
これは和装業界の生き残りをかけた戦略でした。
女性の和装への意識とも相まって、女性の和装は飛躍的な進化を遂げますが、男性の和装はその流れにはならなかったのです。
男性で和装を揃える人は、よほどの『和に関する仕事や行事に関わっている人』でない限り、フォーマルを揃えることはありません。
歴史的背景を見ても、やはり男性のフォーマルは洋装が定着しているのです。
子供の結婚式における燕尾服を着る父親と、留袖を着る母親の姿がそれを物語っています。
和装業界の中での男性の和装
和装の販売の現場では、やはり男性の人口が少ないのが現状です。
特に女性と比べると、冒頭でも言った通り10%にも満たないのです。
種類の少ない男子の和装
女性の和装の方が和装業界の戦略もあり、種類が豊富で非常に複雑です。
平たく言ってしまうと『女性の和装は揃えるものが多い=たくさん買う必要がある』ということなのです。
対して男性の和装はその種類が少ないと言うことができます。
というより、シンプルなのです。
そして男性の和装は女性用とされている反物からでも作ることができます。
男女の『着物』の違いは仕立て方の違いがほとんどなので、種類の豊富な女性着物から選ぶのがいいということなのです。
当然、既成の男性和装も存在します。
それに関しても、商品量としては女性の10%ほどもないというのが、ほとんどの和装を扱う販売店の現状です。
和装に関する男性の意識
とはいえ男性で和装に興味がある人が女性の10%なのかといえば、そんなことはないというのが私の見立てです。
年代を問わず和装に興味を抱く男性は多いですし、実際に私のブランドを愛用してくれる男性の方もたくさんいます。
さらに、昨今ではメディアでも『和』が取り上げられることが多く、若い世代では和装に人気が集まっています。
奥様が和装に興味があって、それについてくるうちに和装の虜になる方や、友達同士で和装を始める人も多くいます。
当然、高級志向の人もいれば、気軽に着たい人もいますし、王道を愛する人もいれば、コスプレ文化を中心に新しい和装を楽しむ人もいるのです。
男性の和装の可能性
男性の和装はそのファッション性を高めています。
基本的には男性の和装は『無地でシンプル』というイメージがありますが。その感覚を打破して自分らしく和装をする男性が増えているのです。
新しいTPOが創られる男性の和装
男性の和装は女性のそれと違ってルールが少ないかつ曖昧なので、逆を返せば自由度が高いとも言えるのです。
その自由度を楽しんでいる男性はたくさんいます。
私のお客様の中には、グループを作って男性同士で和装を楽しんでいる人もいます。
私も何度かその集まりに参加させていただきましたが、非常に楽しいですし良い体験になります。
そこで着る男性の和装にはTPOはありません。
各人が思い思いの和装を誇りを持って着ているのです。
更なる男性の和装の可能性を広げるために
私は自分の作品を通して和装を愛する男性を応援しています。
さらに、新しい着姿を提案しそれが受け入れられたりもしています。
写真はお二人とも、我がブランドの作品を纏って頂いている男性のお客様です。
自分で言うのもなんですが、おしゃれでかっこいい着姿です。
今後もこのような提案をし続けることで、男性の和装の可能性を広げていくことも私の使命なのです。
和装プロデューサー
デザイナーズブランド『想創蒼』代表 山本丈之
和装ブランド『想創蒼』展示会情報
●『想創蒼』代表 山本丈之
2021年1月は広島で展示会を開催1月8日~12日・広島県廿日市市にて こちらの展示会は終了しました
1月15日~19日・広島県広島市緑井にて
1月22日~26日・広島県広島市にて
●『想創蒼』アーティスト 山下純一
2021年1月は兵庫と京都で展示会を開催1月22日~25日・兵庫県丹波市にて こちらの展示会は終了しました
1月29日~31日・京都府舞鶴市にて
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